韓国にいたときに書いた唐辛子メモ。赤い食卓が毎日続くので、怖くなって調べた。

唐辛子         2002.04.06

韓国に住んでいるわけだから、唐辛子について知っといたほうがいいと思う。
毎日の食卓に必ずあらわれるあの赤いやつ。たまに青いのが生のまま出たりはするが、韓国食のイメージを色であらわせ、と言われたら、韓国に来たことある人の大半は「赤」と答えると思う。

そんなかんじで、あいかわらず韓国語の勉強そっちのけで調べてみました。

★唐辛子

ナス科の一年草。辛味種と甘味種がある。
辛味種は鷹の爪・八房・伏見辛・カイエンペッパー・ブリッキーヌ・パラペーニョなどで、胎座・果実に刺激性の辛味を有し、乾燥させ香辛料として用いられる。甘味種は辛味を含まないピーマン・パプリカ・ししとう・アンチョ・伏見甘・万願寺唐辛子など。
唐辛子の一番辛いところは胎座(唐辛子の種がついている真ん中の綿みたいなところところ)で、次に辛いのが皮。種自体には辛味はない。

★歴史的背景(韓国の唐辛子)

韓国料理は辛くて当たり前のようではあるが、唐辛子を使うようになったのは17 世紀頃、日本から輸入された。
くわしく調べてないので、政府がどうとかはわかりません。すみません。

とにかく、それまではキムチも塩漬けであり、辛さの味付けには山椒や胡椒が使われていたらしい。しかし当時これらのスパイスは非常に高価で、庶民が容易に食卓に並べることができるものではなかった。

そこに唐辛子が輸入され、韓国風土によく馴染んだのか、全土に広まり今日にいたる。

★唐辛子の辛さ

「唐辛子は非常に強い辛みを持った物質で、主食とはなり得ないが、スパイスとしては最強のパワーを持った食材の一つである。」(岩井和夫 教授/神戸女子大学・農学博士、あるある大辞典Web Site第88回「唐辛子」より)

主食とはなり得ないって、そりゃそうだろ。
世界で一番辛い唐辛子は、メキシコのババネロ種であるといわれるが、あくまで一説。
ヱスビーが開発した「SBサンマックス」という品種はババネロ種の3倍の辛さがあるらしい。

唐辛子の辛さは品種と栽培される環境により多様で、同じ種でも日本で栽培するのと韓国で栽培するのとでは味が違う。辛さの中にも「仄かな甘味と爽快な香り」がないとおいしいキムチはつくれない。日本で栽培すると、どうしてもヒリヒリ辛くなってしまうそうだ。

以前たしか「美味しんぼ」で読んだところによると、緯度が低くなるにつれて唐辛子はヒリヒリ辛くなっていくらしい。だから赤道直下の国々の唐辛子はすさまじく辛い。タイ美人は平気な顔をしてそれを食べるらしい。

★カプサイシンの効能

さておき、この唐辛子の辛味成分がカプサイシンである。日本でもこのカプサイシンの効能がマスコミ等でもとりあげられ、90年代末には「カプサイシン信仰」が起こり、バッグにマイ唐辛子を忍ばせる女子高生たちがあらわれた。当時は唐辛子ドリンクも発売されたらしい。

では具体的なカプサイシンの効能は・・

これらを中心とする一連の刺激により、
胃腸の働き(ぜん動運動など)が活発化し、中枢神経の働きが高まり消化器へ送りこまれる血液量は増え、消化液の分泌も多くなる。発汗作用が起こる。交感神経が刺激されるために、体内にたまった熱は皮膚表面か逃げやすくなる。また、血液中の好球中(白血球の一種)の働きがよくなる。すなわち、

○ 食欲増進
○代謝促進
○ストレス緩和
○ダイエット効果
○体内脂肪を燃やす
○冷え性にきく
○免疫力の増進

などが効能としてあげられる。
さらに、抗酸化作用による粘膜の破壊を食い止めるため、アルコールからも胃を守ることになるし、防腐、殺菌作用があり、キムチはこれを利用した発酵食品である。

また、減塩作用といって、舌が通常よりも少量の塩分で塩辛さを感じるようになるため、塩分の過剰摂取を避けることにもつながるらしい。

カプサイシンは摂取された量がかなりの効率で体内で吸収される(吸収率は約85%)。また運動による脂肪燃焼と異なり、速攻性があるので体内ですぐに脂肪を燃やし始める。だから息づかいもすぐに激しくなるとのこと。

★辛けりゃいいのか

というわけでもない。
ココ壱の「10倍カレー+跳辛スパイス」を食べた人の感想によれば、食べて1時間後に体調がおかしくなり始めるらしい。症状は、

危険です。
食べ過ぎると味覚障害を起こすこともあるらしい。何にせよやりすぎはよくないようです。
適度に唐辛子と付き合っていきましょう。

★ さいごに

韓国では唐辛子のことを「コチュ」というが、男性器のことも「コチュ」ということがある。トイレの壁に唐辛子の看板がかかっている店も少なくない。

それはそれとして、辛いのは嫌いではないんだけど、ちょっと限界を感じざるをえないこのごろです。今のところ、韓国人の「ちょっと辛いね」が僕にとっては激辛です。おいしいんだけど。

以上、来週から語学センターの方も始まるし、忙しくなる前のレポートでした。

★参考

www.ktv.co.jp/ARUARU/search/aruchili/chili1.htm
www.basara-web.com/yonkim/0214kochu.htm
www.gws.ne.jp/home/yottyann/korea/foods.html
www.dengeki.jp/~karaihito/
www.yuzukosyou.com/story.files/story.html
www.sbfoods.co.jp/spiceherb/spice-QA/text/redpepa10.htm
www.president.co.jp/dan/9906/01.html
www.yagishouyu.co.jp/newpage10.htm

等。ありがとうございます。

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